次女のピアノの発表会。
ピアノほど、親として、 コーチとして試されていると感じるものはない。
4月初旬。
美しく青きドナウの情景は全く見えてこなかった。
「な、何弾いてるの?」
くらいなたどたどしく、リズムにのってない音楽。
もちろん暗譜なんて、もってのほか( ̄▽ ̄;)
けれど、子どもは、「なんとかなるんじゃない?」 くらいな雰囲気。
いやいや、このままではどうにもならない、悲惨な状況だよ!
私、焦りました。
家にいて、一瞬でもひまそうにしていたら、
「ピアノの練習したの?」
「練習した方がいいんじゃない?」
「いつやるの?」
と、1日に何回も聞いてしまう(ええ、一応コーチです)
もしかしたら、本当のコーチはここで見守る??
それは、私にはできなくて、一緒にやることを選択。
発表会という目標に向かうには、
本人の「こうなりたい」というイメージと、
「そのためにやるぞ」というやる気
がすごく必要。
それ以上に必要で大事なのが、「練習」という行動。
それが、とても地味でつまらないと感じてしまうのだけど、
というのが、
ピアノの場合、ちょっと難しい指遣いからのメロディの流れなんかに、
練習をやる気を出して毎日取り組めるのは、本当に好きな人。
次女はピアノが好きなのではなく、
(偉そうなことを言っているけど、私は小さい頃にエレクトーンを やっていて、練習を全然しなかったので、やりたくない気持ちわ かります。)
けど、プレゼントはほしい(≧▽≦)
1週間前になって、焦りのピーク。
私は、
「一緒にやるよ!すわって!!」
と、強制力を働かせる。
逆に、
「ママ、ここにすわって!」
と言われる日もありました。
とにかく横で座って見ているだけで安心して弾けるらしい。
「頑張ってるよねー」
「そこの1小節はもっと練習したほうがいいね」
「だいぶ上手になったね」
「でも、人前で聞いてもらうには、練習もっとしないとだね」
アメとムチ。
言葉の力は大きい。とわかるから、
一言を発する前に、前に言った言葉を思い出して、
ほめると激励?を 交互に使い分けてみる(笑)
そんなこんなで、なんとか暗譜も間に合い、 曲もわかるくらいになりました。
終わった後、プレゼントの中身を見て、
「わー!先生、ほんとかわいいのをいつもくれる!」
と言って、大喜び♪
そして、あれだけ大変だったのに、
「来年もやるー!」
だって。
ここまでの大変さを思うと、
「まだやるっていうんだね…(^^;)」
正直、一瞬ね、親はそう思ってしまいました。
練習は、大変で苦しい。
けれど不思議なことに、 無事発表会を終えられたら、
その時までの苦しさはあっという間にど こかに忘れて、
達成感や充実感、楽しさ
に変わって、 またやりたいと思う。
成長するためにそこそこ忘れるようにできてるんだなぁ、人間て。
そんなことを次女を見ながら思いました。
1日たって、今。
やりたい理由が「プレゼントが欲しい」でもいいじゃん。
「苦しいけど、なんとかやり遂げることができる力」
「(人前で演奏する)緊張と上手に付き合う力」
「やりたくない時に、自分を奮い立たせる力」
「自分の最高を創り上げる力」
他にも、きっといろいろあると思うけど、
ピアノを通して、いろいろなものを手に入れることができた。
そんな私も、次女と練習する中で、
「どんな一言をかけたらやる気になるか」
「今、言うタイミングか」
「次女の性格からして、どんな練習が良いか」
とか、いろいろ考えた1カ月でした。
そういうところで親として(コーチとしてもたぶん…)、
成長を手に入れたかな。
表面的に、
「上手にできた、できなかった」
ことにとらわれることが多くて、
私もついそこを言ってしまうけど、
私たちがやったことにおいて、
いろんな目に見えない大切なものを手にしているということ。
ここを忘れてはいけないな。というのと、
ここを彼女に折に触れ伝えていかなくては。
それはきっと彼女の自信につながる。
まずは昨日までの努力をしっかり労って、
また、 来年の発表会に向け、親子で頑張りたいと思います。